アトリエうかいのクッキー缶には、グランシェフパティシエ鈴木の特別な思い入れがあります。 幼少期、母親が缶のふたを開ける際にテープをきれいにはがし、クッキーを取り分けると再びそのテープを巻き、湿気ないように封をしていた光景を目の当たりにしていました。クッキーを慈しむような母親の姿は印象的で、そこには今の時代にも残すべき大切なものがある気がある、と鈴木は感じていました。そんなこともあり、クッキーの詰め合わせを商品化するにあたっては“缶入りのクッキー”を作りたいという思いがありました。 2016年発売の「フールセック・サブレ缶」は、和の素材を使用していることから、パッケージに日本人らしい“おもてなしの心”を表現したいと考えていました。しかしなかなかデザインが決まらず、手探り状態が続くことに…。そんな時、うかいの系列和食店のあちらこちらにあしらわれている紋様が目に留まりました。 ひょうたんに網代、青海波に鉄線花…。 それらは、古くから日本で用いられてきた幸を願う吉祥紋様でした。 「こんなところにもおもてなしの心が息づいていたのか」と気づかされ、缶のデザインに取り入れることに。時を超えて愛される縁起のよい紋様を描いた缶は、ハレの日の贈り物にもぴったりのパッケージとなりました。 これらの缶が食べ終えたあとにもどこかで誰かの大切なものをしまう箱などとして使われることがあるならば、私たちにとって最上の喜びです。

アトリエうかいのクッキーは、ご自宅用はもちろんのこと贈り物としても多くのお客様にご好評いただいております。 お客様の想いが贈る方へ正しく伝わり、一層の感動となって受け取っていただけるように。 そのためには、箱を開けた瞬間の印象も大切と考えています。 商品を受け取って封を開ける、心躍る瞬間。贈る方に笑顔になっていただけるようにと、工房スタッフの梱包作業にも自然と心がこもります。 クッキーを店頭のみで販売していた当初、多くのお客様から「大切な方にアトリエうかいのクッキーを届けたい」というご要望をいただいていました。 口の中でほどけるような繊細な食感ゆえ、本来は配送することが難しい当店のクッキー。「安全にお届けするにはどのような手法をとるべきか？」と日夜研究を重ねたスタッフたち。形を崩さずに工房で作ったそのままの状態でお届け出来るよう、商品を輸送の衝撃から守るための試行錯誤を繰り返した結果、全国の皆様への配送が可能となりました。 梱包作業は、まず商品に合わせたサイズの緩衝材で丁寧に包むことから。商品に傷がつかないよう、慎重に行います。 次に段ボールの中にも隙間ができないようにエアークッションをしっかりと詰めて、中でクッキーが動かないように固定します。 さらに箱を開けた時の見た目にもこだわり、商品の並びが美しく見えるよう配慮しています。 直接顔を合わせてギフトを贈る時のように、またはそれ以上の真心を感じていただけるように。 これからも、こだわりを大切に包み、お客様からお預かりした特別な想いをしっかりお届けしてまいります。