アクセサリーデザイナー パオラ パスクァリン ヴェネチア出身の時計職人の父と、パドヴァ出身の母のもとに生まれる。幼少期をトリノで過ごし、ヴェネチア・ムラーノ島から3年間芸術学校に通う。25歳の時、ファッションの中心であったパリに移り住み、アクセサリーのデザインや制作を手掛けるアンティーク・ディーラーの紹介で、ヴェネチアンビーズを用いてKENZO、PIERRE CARDIN、Hermèsなどのコスチューム・ジュエリーを制作。彼女の作品はファッション誌Vogueの表紙にも使用されることになった。以後、CHANELで働いていた女性とともにヴェネチアにてデザイナーとして活動した後、30歳で独立し展示会を多数行う。来日以降、日本の美意識を取り入れたコスチューム・ジュエリーの制作なども手掛け、活動の幅を広げている。
ヴェネチアン・グラスとは 紺碧のアドリア海に面した北イタリアの水の都ヴェネチア。ヴェネチアン・グラスは、古代ローマ時代のローマン・グラスにその起源を発するともいわれ、当時すでにイタリア半島全域には多くのガラス工房が作られていました。ガラス生産の中心地は、1291年の「ガラス製造業者および工人・助手、家族等のすべてをムラーノ島に移住させ、島外に脱出する者には死罪を課す」というヴェネチア共和国の強力な保護政策により、ヴェネチアの本土であるリアルト島から隣のムラーノ島へと移ります。そして今日に至るまで、ムラーノ島はヴェネチアン・グラスの中心地であり、ムラーノ島の人々は、ヴェネチアン・グラスと運命を共にしてきました。