現代ガラス彫刻の第一人者であるリヴィオ・セグーゾ氏の作品は、箱根ガラスの森美術館が開館して以来、現代ガラス美術館に常設で展示されている。その作品の人気と評価はとても高い。1930年ヴェネチアのムラーノ島に生まれ、吹きガラスによる彫刻作家として、精力的に活動し続け、今なお次々と新しい作品を生み出している意欲的な姿には驚かされる。氏のあくなき情熱は、ヴェネチアン・グラスの伝統的技術の奥義の研究と習得に注がれ、過去の様式から脱皮し、今までに無かった新しい息吹を吹き込み、将来の可能性を感じさせる「光の彫刻」へと発展させた。それはガラスとガラスの組み合わせだけではなく、金属、石、大理石、木材などの素材にも及び、「光の詩」という詩情豊かで内面性をも表現する独自の造形美を産み出し、観る者を驚嘆させ圧倒する。 箱根ガラスの森美術館 館長 岩田正崔 (リヴィオ セグーゾ 光の詩・ヴェネチア現代彫刻の巨匠より一部抜粋)
リヴィオ・セグーゾ、ヴェネチア在住、1930年ムラーノ島で生まれ、現在でもここで活躍している。 リヴィオ・セグーゾの芸術家としての円熟が見られるのは、1970年代の末である。その頃から、彼は作品を抽象的な形で表すことが出来るようになった。それは何かの形を模倣したのではなく、それまで知られていなかった見える事象の本質を捉えた形を表しており、総合体と純粋な形に魅せられた彫刻家の個性を表している。 更に、彼の作品は、以前は円形や楕円形で制作されていたのに比べ、幾何学的秩序に従って形の量感を感じ取れるまでに変化した。 リヴィオ セグーゾ・スタジオ (リヴィオ セグーゾ 光の詩・ヴェネチア現代彫刻の巨匠より一部抜粋)