今回のモザイク・グラスと箱根寄木細工のコラボレーションは、人の手と炎で創るガラスと自然の木との素材の違いはあるものの、技法がきわめて似ているところからこの企画の発想は生まれた。こうしてここ箱根で実現した海外の異なった芸術作品との出会いは、箱根寄木細工が世界に誇れる文化であり、また高い職人技で創られていることを改めて自覚させてくれた。また私たち自身に対しても、新たな視点から「技」更に高めるよう鼓舞し示唆しているように思える。 箱根ガラスの森美術館 館長 岩田正崔 (‐時空を超えた東西の技‐ モザイク美の世界より一部抜粋)
ヴェネチアで古くから伝わる伝統技法として、ガラス職人がひとつひとつ手作業で制作しています。溶けたガラスを金型に入れ花や星の形を造り、さらに色ガラスを重ねたり型を変えたりしてできた塊をふたりの職人が引っ張り細長くします。できた棒状のガラスは金太郎飴のようにどこを切っても同じ絵柄となります。短く切ったガラス片を組み合わせることで、ガラス器に1,000の花が咲いたように見えることからミルフィオリグラス(イタリア語で「千の花」の意)と呼ばれています。